従来型の問題解決では、「ギャップアプローチ」が採用されています。当初設定した目標に対して、どこが足りないかを考え、その足りない部分を埋めることで解決するという手法です。

このギャップアプローチは、過去を分析し、ギャップを埋める問題解決法です。論理的な原因分析を不可欠とし、解決方法も論理的に組み立てていきます。

しかし、創発の場では、別のアプローチである「ポジティブアプローチ」が適しています。「ポジティブアプローチ」とは、理想やあるべき姿を実現するためのアクションにフォーカスするための方法です。過去や現状は一旦おいて、あるべき姿の実現に向けた方法を考えます。そして、実際に実行していくことへ重点を置くことで、結果として、現状の問題点も解決していきます。

ポジティブアプローチは、あるべき姿を起点にするので、ゼロベースで考えることができます。そして参加者の意識は、理想やあるべき姿といった、未来志向のものになります。未来思考の考え方をすることで、アイデアを生み出す過程でも、ポジティブに議論することができるのです。また、出来上がったアイデアについても、モチベーションが高く、実行に移してみたくなるものとなる可能性が上がります。

ポジティブアプローチが、参加者が自発的に実施したくなる解決策を生み出すのです。